INTERVIEW

INTERVIEW 01

ITは世の中をひっくり返す「革命児」

Profile 今野 穣

世界有数の運用実績を誇る「グロービス・キャピタル・パートナーズ」COO(最高執行責任者)

「インターネット業界は驚くほど異次元な場所!?」

インターネット業界の面白さ、たくさんあるけれども、一つは無から有、ゼロからイチといった新しいものを生み出そうという空気感。大手企業向けのコンサルをやっていたところからこの業界に入ったんですけど、なんて異次元な場所なんだ、と思った記憶があるので、たぶん、ネット業界外の人からすると、良い意味で信じられないぐらい前向きな業界だなと思っています。

で、すごく分かりやすくいうと、本当にできない理由を言わないんですよね、この業界というのは。どうやったらできるのかというのを、競合だろうが、異業種だろうが、ベンチャーに関しては皆で知恵を出し合うというのが、本当に打算を超えて、そこは共通化していて。

むしろ、そこが出来ない人は、自然淘汰というか、存在を忘れられてしまいますね。仕事ができる・できない以前に、ベースのコミュニケーションプロトコルとして必要。逆に本質で勝負したい人はとても面白いと思います。

もう一つが、これはインターネットの価値そのものだと思うんですけど、インターネットって何かというと、時間的・距離的制約を解消したり、情報の非対称性を解消したりして持つもの持たざるものの勝手な上下関係を全部フラットにすることができる。

CGMもそうだし、CtoCってのもそうだし。ようは、ユーザーがフラットな立場で参加し、かつ、最近ではサービスの利用者としてだけでなく、サービスの供給者の立場としても参加できるツールが提供されることで、今までは地理的・物理的な問題があってできなかった部分が容易にできるようになる。そのインターネットの存在そのものがより真理というか、フェアな環境を提供するインフラなので、そういう意味でいうと、すごく面白いというか、やりがいがありますよね。

時間的、地理的制約を超えるっていう面白さ、そこをビジネスとして使っていく面白さ。それは他の産業にはないし、それを短期間かつ小資本で実現できうる。それによって、産業の新陳代謝を起こしたり、古くからいて、進化を止めてしまっているような業種業界、個別の会社が良い意味で足元をすくわれる。そういうツールですよね。

「今注目されている、コミュニティの”濃さ”とは?!」

最近は所謂プラットフォームとしてマスのユーザーを獲得しているサービスはほぼ出揃っていたり、先輩ベンチャーがすぐに参入してくるので、中々難しい時代になってきていると思っています。逆に注目しているのは、ホビーテックってカテゴリーです。趣味を軸にしてすごく濃いコミュニティーがネット上にできてユーザーはたまるんですね。例えば、釣り、キャンプ、山、場合によっては、鉄道、ボタニカルとか。それぞれのカテゴリで注目している会社があるんですが、全員、超オタクなの。経営者自身がオタクの当事者なので、コミュニティーを作るのが上手なんですね。そこにお金儲けのマネタイズのポイントが見えそうになったら、結構手当たり次第に投資したいと思うかも。

インキュベートキャンプがあって、すごい面白いと思ったのが、アップグリーンって言う会社でね、今は植物のキュレーションメディアをやっていて、そこの社長は本当に日本で一番植物が好きな人なんじゃないか、っていうぐらい。マツコデラックスがやってるアウトデラックスに出演依頼が来るぐらい変態なんですよ(笑)

まず、キュレーションメディアでも一定規模は稼げると思うんだけど、よく考えると植木の栽培は家によって全然環境設定が違くて、ノウハウが異なるので、まさにクックパッドみたいにになる可能性がある。そっから、さらにECでもいいし、OtoOで植木屋につなげることもできる。

植木っていうニッチな市場・メディアなんだけど、実はそこからコミュニティー、コマース、OtoOって、取りきっちゃえば良い。日銭稼ぎとして広告収入があってもいいんだけど、濃いユーザーをためて、そこの周りをすべて取っていく。そういうのって、結構出よるなって。

ユーザーにとっては、そのプラットフォームの規模の大きさなんて、もう関係なくなってきている部分も出てきている。規模じゃなくて、濃さが重要っていうイメージですね。

『業界には人材がまだ足りない。非連続な”アンラーニング”が鍵』

インターネット業界、スタートアップ業界に足りてないことねー。言ってしまえば、全部足りないんだよね。でも、全部足りないから、もうお手上げだった言ってもしょうがないんで、何か、突破口を作っていかないといけない。そういう意味で言うと、人の流入が一番伸びしろがあるかなって思いますね。お金は結構、入ってきてはいるんで。技術は人につく部分もあるので、結果、人かな。

ただ増えれば良いって話ではなくて、適切な入り方、エントリーの仕方を考えたほうがいい。コンサルだろうが、東大出ようが、ゴールドマンサックスにいようが、こっちの業界に来るとかなり非連続なアンラーニングが必要になる。ギアチェンジというか、本当にアンラーニングをしながら、1からキャリアを作ってく、っていうことがすごく大事だと思う。

『アメリカの履歴書では、何回起業したか、がステータス』

起業家の数問題でいえば、一つはシリアルアントレプレナー的なものがもっと増えるかどうか。じゃあ、それどうやったら増えるって言ったら、M&Aがもっと増えなきゃいけないなと思うし、買う側だけの話じゃなくて、起業家もマインドセットとしてより成熟しないといけない。アメリカって面白くて、起業した時から、シリコンバレー株式会社のどこにはめるかって予定を立ててやってる。起業家側が。

何が言いたいかというと、管理とか、コーポレートを一切に気にしないんですよ。極論、日本は9割上場、アメリカは9割M&A。基本IPOのことなんて考えない。そうすると、シリコンバレーではこのセクターのこの部分空いてるなと思って、さっと立ち上げて、さっと売るわけですよ。日本とはもう全然価値観が違うんだよ。

あとはアメリカでのイベントで自己紹介すると、名前の後に話すのは、何回目の起業かって話。必ずそれがセット。自分の名前と3回目です、4回目です、5回目ですってのが自分の名刺になる。5回、4回失敗してたりするんだけど、それがもう、本当に共通言語なの。自分は35歳で3回目です、みたいな。すごい面白かった。

『ITは”革命”!世界をひっくり返すサービスを作るのに面白くない理由がない!

ITって歴史的にみると、”革命”と位置付けられることになるイベントなんだろうね。革命って正三角形が逆三角形になることですよね。権利が全く逆転する。”改革”ってのは、今あるものをより良くしていく、改善の延長みたいな、荒療治な改善みたいな感じですけど。”革命”っていうのは、過去の歴史的革命って全部、権力なり、秩序の逆転が伴っているんですよ。

そういう意味でやっぱ、ITは”革命”だと思うんですね。なぜかというと、今までの経験値が全ての負の遺産になるような爆発力をITが持っているから。

イノベーティブな仕事に携わらない、若いうちにデジタルネイティブ的なところに自分を投資をしないことは、すごくもったいないなと思いますし、逆にいうと、そのぐらいチャンスってことですね。

パソコン一台あれば、世の中をひっくり返すようなサービスを作れちゃう。例えばですけど、彼らを卑下する訳ではなくて、メルカリに技術的に誰も解けない何かが入ってるかと言ったらそうではなくて。メルカリみたいに、一定以上優秀なwebサービスの技術者ってだけで、ちゃんとやり切ればできるわけですよ。山田進太郎っていうシリアルアントレプレナーによって作られたものではあるけれども、機会は平等なんですよ。あんなことができちゃうことの面白くない理由があったらむしろ教えて欲しいわ(笑)

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